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かまきり旅行記Ⅴ

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わしは、ぶな老人に神様の居場所を聞いてみることにした。

すると、ぶな老人は「ああ・・、もちろん・・」

具体的な居場所を知っているようじゃった。

さらに聞いてみた「夢をかなえてくれるって聞きましたが?」

「そうじゃよ!」「全ての夢をかなえてくれる・・・」

自信満々な回答にわしはむねが踊った。

で・・?神様は?

するとぶな老人は「その前に、聴きたいことがある・・・?」

「夢はなんじゃ・・・?」

わしは体全体が硬直した。緊張マックス。

震えるこえで、え・・え・・と?

と・・、とっさに、お金が欲しいんです・・!

「そうか、おかねか?」「ほかには?」

え・・え・・と・・立派な家・・!

「ほかには?」

大きなテレビ、車、医者、宇宙飛行士、画家、ホテル、美容師・・・・・

わしは、ありとあらゆるものを並べた。

すると「わかった!望むもの全てかなえてやろう・・・!」

わしは心臓が破裂しそうじゃった。先祖からの言い伝えが嘘でなかったことを確信した。

このときわしは、ありとあらゆるものを並べてよかったと思った。

と・・・目の前が急に暗くなった・・・!

わしは嬉しさのあまり、気絶したようじゃ?

何分・・?いや何時間・・・?何日・・・?

目が覚めると、わしは大きなベットに横たわっていた、大きなテレビ、ガレージには車・・・・・?

朝が来ると、わしは医者になり、次の日は宇宙飛行士、画家、ホテル経営と忙しく、働いた・・・?

金庫の中には、金、銀、お金の束が数え切れないほど入っている。

働いても、働いてもきりが無い・・・!ほとほとわしは疲れていた・・・!

ある日の夜、外を見ると、青白く光を放って大きな木が立っているのに気がついた・・!

あの日のぶな老人であった。

わしは青白く光放つぶな老人に、恐る恐る近づいて「ありがとうございました・・・」

すると、「夢がかなった気分はどうじゃ?」

わしは素直に、疲れきっている自分を伝えた。

「そうか・・・!あと何日働けそうじゃ?」

え・・・と、わしは言葉につまった・・!

「あと何日働けそうなのじゃ?」

わしは思わず「もうたくさんです・・!」と、こたえてしまった・・!

すると、ぶな老人は「かまきりさんは、働き者じゃのー」

わしを褒めてくれたんじゃ。うれしかった。

わしはばちがあたりそうな気がしていた。だから、この言葉にえらく感動したし、幸せな気分にもなった。

重い荷をおろしたような気分になっていた。

するとぶな老人は「もう・・夢はたくさんか?」「もとへもどそうか?」

わしは即座に答えた。お願いします。・・・と

「それでは、もとへもどすぞ・・・!」「そのあとで、もう一度、かまきりさんの夢を聞いてやろう・・!」

わしはその言葉を聞いたとたん、ふと、本当の夢はいったい何だったんだろうかと・・・?

わしはぶな老人様に手をあわせ、深々と頭を下げた。無意識のうちに頭が下がった。

その言葉を残してぶな老人は姿を消した。

全ての夢を叶えてもらったはずなのに、わしの心はむなしく、悲しい。

なぜだろう?本当の夢とは?本当に欲しかったものは?自問自答してみた。

すると、わしに「かまきりさん、かまきりさん、なぜここまできたの?」

どこかできいた優しい声・・・?ふりむくとそこには金髪の女性。

そう、わしを連れてきてくれた親子がいた。

わしはやけに、素直に、神様に会いに来たことを伝えた。

すると、子供が、神様にあえたの?

わしは、おかげさまで会うことが出来ました。とこたえたんじゃ。

会えたのになぜ悲しい顔をしているのですか?金髪の女性が聞くんじゃ。

だからわしは、全ての夢を叶えたもらったこと、疲れきった自分がいたことも伝えた。

すると、こんどはこどもが、なぜお金が欲しかったの?

交互にわしに聞いてくるんじゃ、なぜ車が欲しかったの?なぜお医者さんになりたかったの?

なぜ宇宙飛行士に?なぜ画家に?なぜホテルを?

わしはこの親子がなぜわしの夢のすべてを知っているのか不思議じゃった。

わしはお金があれば自分の欲しいものが買えるから・・・そう応えたんじゃ・・。

すると今度は、なぜ欲しいものを買うのですか?

なぜって・・・?わしは考えさせられた。なぜ欲しいものを買うのか・・・?

しばらく考えてから、わしは応えた。欲しいものが手に入ればうれしいじゃろ!

わしは質問ぜめにあった。しつこく問い詰められた。

都度、欲しいものが手に入ればうれしい、うれしい、幸せな気分、うれしい、幸せ、延々と応えた。

すると、その親子はわしに、「かまきりさんの夢はなんですか?」「かなえてあげましょう!」

わしは耳を疑った?え・・・!いまなんと・・?

「夢をかなえてあげましょう!」

即座に、幸せになること、毎日が幸せで楽しい生活ですと・・。

「わかりました、毎日が楽しい生活を送れるようにします」

わしは、深々と頭を下げた。

すると「かまきりさん、今度はわたしの願いも聞いてくださいますか?」

わしの出来ることであればどんなことでも致します。

「簡単なことなんです」

なんなりと申しつけくださいませ・・!

すると「毎日、毎日が幸せだと、かまきりさんは、きっと飽きてきてしまいます、そこで、大きな幸せの前に、

すこしの苦労を添えたいとおもいます・・・」

「それが私からのお願いです」「いいですか?」

わしはそう言われてなんのためらいも無く、その通りだと思った。

わしは、幾度も幾度も頭を下げた・・・。ありがとうございます・・・。

このあと、かまきりさんは、田沢プラトーホテルの温泉につかり、ゆっくりやすんだとさ・・・?