かまきり旅行記?

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みがきぬかれた車のボンネット、ワイパーブレードの手前にへばりつき、かまきりが一匹。

実はこのかまきり、町場から高原温泉まで、無賃乗車?よく飛ばされもせず、ここまで来たものだと思う。

かまきりさん、カマキリさん、あなたはなぜここまできたの?

 

それは、それはとおい、とおい、わしのおじいちゃんのそのまたおじいちゃんのころからのゆめなんじゃよ!

そう、そう、わしがうまれたとき、そばにおきてがみがあってのう・・

それは、わしの母親からの手紙じゃった。

さて、そのてがみじゃが・・・、おまえが大きくなったら、かならず東の山を目指しなさい、そこには夢を

かなえてくれる神様がいて、必ず夢をかなえてくれます。とかいてあったんじゃよ・・・。

どうも聞くところによると、わしらカマキリ一族の昔からの言い伝えのようじゃ・・!

だから、小さい頃から何度も何度も何度も東をめざし、飛び立ってみたんじゃよ。

だが、そのたびに風に流されたり、雨に打たれたり、失敗じゃった・・。

しかも、この春のことじゃが、東を目指し飛びたとうとした時、車がわしに体当たり・・・!

まあ・そのときは軽い打撲ですんでよかったものの、はらがたって、はらがたって。

それいらい、ずーっとその車をさがしていたんじゃ・・

すると、けさ、やっとの思いでさがしあてたんじゃ!   うれしかった。

どうして、うらみをはらそうぞ・・と!その時、若い娘が出てきたんじゃ。

髪は茶色く染め毛先はほとんど金髪、いかにもわしら虫なんぞひき逃げしそうな娘。

その後ろから小さな子供、かわいい子じゃった。

ふたりとも、車に乗ってでかけようとしているんじゃ。わしはとっさに、ボンネットに

しがみついた!車にエンジンがかかり、出発しようとしている・・!

エンジンがかかると、ものすごい振動が伝わってきた。ここで振り落とされるわけにはいかんと思い、無我夢中じゃった。

この娘、わしがしがみついているのを知っていてそのまま車を走らせたではないか!!

信号機を左へ!カーブ!!あ~~~!!!

わしは必死にしがみついた。「ママ!かまきりさん飛ばされちゃう!」

なんとやさしい・・わしを気遣ってくれておるのか・・

間もなく学校に着き、子供は手を振り車を降りた。「いってきまーす」

家に着いたら噛み付いてやろうと思っていたんじゃ。

ところがじゃ・・・、この娘、家とは逆方向に走らせたんじゃ・・

どんどんスピードが上がっていく・・・!風圧がすごい!わしの柔らかい羽根が、たくれあがり、ぱたぱた、ぱたぱた・・・ついにわしは飛ばされてしまった・・・・・・ああああああ・・・・!

しかし神はわしを見捨てなかったんじゃよ・・、幸い、ワイパーのすきまに挟まり、助かった・・・。

わしはワイパーにしがみついて、運転している娘をのぞいてみた・・!すると、娘もわしをみている・・・!

おもわず目をそむけてしまった。

車は東の山をめざし、どんどん上がって行く。

もしかして、この娘の車にしがみついていれば、夢が叶うかもしれないと思った・・・・?

車は東を目指す・・スピードは上がる・・わしの心は、たかなる・・・?

ただただ、わしは、神に祈った・・・東の山につれてって、お願いします・・・かみさまーーー!

さあ!着きましたよ!かまきりさん・・!

この時わしは半分気絶状態じゃった・・そんなわしを、そっと抱き上げ「元気を出して!」「ほら!」

「かまきりさん、カマキリさん、あなたはなぜここまできたの?」

今日の朝、わたしの車にしがみついていました。9月8日記